販売機会を逃さない、
スピードを重視した
オーブン納入
PEOPLE 3
環境・生活産業
システム本部
環境・産業システム部
- 菊田 弓香
- Yumika Kikuta
2017年入社
- PROFILE
- 学生時代は哲学科を専攻しながら、東南アジアでのボランティア活動などに参加。そこから海外に興味を持ち就職活動へ。業界は幅広く見ていたが、自分に合いそうだと感じた商社に絞り、その中で最も海外との接点が多いと感じられた双日マシナリーに入社を決めた。当時の社長との最終面接では、本来30分のところ気付けば1時間も話し込んでおり、カルチャーや雰囲気が自分に合っていると思えたことも決め手になった。
- 現在の仕事
- 私は主に食品機械を取り扱う部署に所属しており、原料となる野菜を洗浄する、皮をむく、パスタを製造する、蒸したり焼いたりするといったことができるヨーロッパメーカーの設備を、食品メーカーや製菓メーカーのお客様に提案しています。
どれくらいの処理量が必要なのか、どれくらいの能力が必要なのかなど、細かく要望をいただき、まずは提案からスタート。受注となり契約に進めば、社内の法務部の協力を得て契約書の作成を行い、納期管理をしながら工場に設備を納入します。納入後は、ヨーロッパから技師が来日して行う据付や試運転に立ち会い、通訳なども行います。
STORY01
日本初、加えてはじめての短納期
国内の製菓メーカー様からあるご相談をいただきました。新発売した焼き菓子が世間で大人気となり、生産量を増やすために新しいオーブンを設置したいという依頼。お客様としては販売の機会を逃す訳にはいきません。ですから、スケジュールがかなりタイトなプロジェクトになりました。およそ2ヵ月ですべての仕様を決めて契約まで漕ぎ着けるという、これまでにないスピード感で進んでいくことに。ただ、そのメーカーの設備はこれまで日本のどこにも納入されたことがないものだったのです。様々な不安がありましたが、間に合わせるために日本到着後の工事スケジュールを短縮させたり、工事期間中も納期までに完了させるべく日毎に作業計画を練り直したり、設備メーカー側とも何度も協議をしながら進めていきました。
STORY02
鰻の寝床にどう納めるか
この製菓メーカー様とは、お取り引き自体はこれまでにしたことがなかったこともあり、すべてと言っても過言ではないほど、はじめて尽くしのプロジェクト。これまでの経験通りにはいかないかもしれないと、いつも以上に気を引き締めました。まず、難しかったのは、設備メーカーが日本ならではの細かい注文をなかなか理解してくれなかったことです。どうすれば相手が動いてくれるのかを必死で考え、何とか現地から出荷して納入する段取りまで整えました。そして、設備と一緒に技師の方も来日され、いよいよ据付工事を行う段階に。技師の方はずっと日本にいられるわけではないですし、お客様との約束の期日もあります。出来る限り急がなければなりません。加えて、納入場所が「鰻の寝床」のような細長い工場。しかも設備は何十mというものですから、部品の数も相当です。それらを事前に確認して、順序よく納入する手配はすごく大変でしたね。その場で工事のベストな進め方を模索しながら進めていったり、お客様、設備メーカー、据付をする協力会社、それぞれから情報を取得し、自分でも設備のことを勉強しながら進めていきました。
STORY03
誠実な対応で信頼関係を築くこと
このプロジェクトは、自分が経験した中でも最大規模のものです。契約書、仕様決めおよび変更、納期のコントロール、搬入の計画、工事の工程管理など、どれをとっても難しいものばかりでした。ですが、どんなことがあっても真正面から向き合うことだけは自分の中で決め、成長のためのよき経験にしたいと考えていたのです。もちろん、思うような方向に進まなかったり、意見がぶつかったり、トラブルが起きたり、一筋縄でいかないことのほうが多かったです。特に、据付の工事では様々なトラブルがありました。例えば、機械と一緒に同梱されてくるはずだった組立作業のための特殊なツールが見当たらず…というようなこともありました。結局は代用できるものが見つかり事無きを得たのですが、私たちはそうした場合にどう対処するかをすごく求められます。そして、悪いことほど早く報告をすることがとても大切です。さらに、「代わりにこういう方法を検討していて、これくらいのコストがかかりそう」など、正直にすべてを相談する。そうした行動の一つひとつが信頼関係の構築につながっていきましたし、自分の知識と経験になりました。食につながる機械設備はこれから先、人が存在する限りなくなることはありません。この経験を励みに、次のプロジェクトにも真摯に携わっていきたいと思っています。
- COLUMN
- 大切なのは、どう伝えるか
入社前は「商社」が具体的にどんな仕事をするのかイメージが湧いていなかった部分もありましたが、海外の方とやり取りをする場面が非常に多いと感じています。そして、海外の設備メーカーとやり取りをする時は、基本的に英語です。また、普段のコミュニケーションだけではなく、工事のために来日したメーカー技師の方のアテンドや、逆に現地に赴いて打合せをしたりすることなども多いです。私は留学などの経験はありませんでしたが、入社後2~3年はみっちり現場に入り込み、業者・お客様・メーカー等、色々な人と関わる中で身に着けることができました。その中で感じているのは、ただ伝言ゲーム的にコミュニケーションするのではなく「どういう風に伝えるか?どうやったら分かってもらえるか?」を考えることが、一番重要だということです。その観点から、ヨーロッパの方と会話をする時はお互いが母国語ではないので、伝わりづらい場合は絵を描くといったコミュニケーションもしています。