非常事態の
インドで、
製造設備を
完成させよ

PEOPLE 4

モビリティ本部 モビリティ第二部

岩崎 光凌
Koryo Iwasaki

2021年入社

PROFILE
学問だけでなく、アルバイト、吹奏楽、留学、インターンシップなどの多彩な活動を行っていた大学時代。「後悔はひとつもない」という彼が就職活動において抱いたのは、世界で何かをやってみたいという想いだった。いくつもの企業を見る中で、若手のうちから海外で活躍できる環境があり、なおかつ「どうしたいのかを自分で考えなさい」と主体性を重んじる当社の風土に惹かれて、入社を決意する。
現在の仕事
私は、主にインド向けに自動車のエンジン製造設備を輸出する業務に携わっています。特にエンジン部品を精密に加工する設備の取り扱いが中心で、近年では新たにEVバッテリーの生産設備の依頼も増えてきました。私の主な仕事は、日本国内で調達した製造機械をインドに輸出し、現地でのメーカー様の設置や稼働をサポートすること。自動車エンジンは数ミクロ単位の高精度な製造によって初めて完成する機械であるため、日本とインドの風土や技術発展の違い、そして日本の商習慣とは異なる文化的背景の中でも、メーカーがいつも通りに設置作業ができるような環境づくりに尽力しています。

STORY01

思いがけない
クリスマスプレゼント

入社1年目のクリスマス、私は初めての海外出張に出かけました。海外で仕事をしたいと考えていた私にとっては、まさにクリスマスプレゼントのような出来事。案件は、インドのエンジン工場の自動車製造設備に改造を施すというもので、当初は3週間の滞在で日本に帰国する予定でした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により状況は一変。担当だったメーカーのエンジニアの方がインドに入国できなくなってしまい、急遽私がメーカーからリモートで指示を受けながら、インド人のエンジニアに共有し、設備の稼働を目指すことになりました。普段であれば、現場の作業員たちに指示を出して、製造設備を完成させていくといった役割はほとんどありませんが、今回のような非常事態ではそうも言っていられません。20名近くの現場のスタッフを前に、自動車の製造設備の完成まで導くことが私の使命になったのです。

STORY02

ジャケットを脱いで、
現場を動かす人になる

最大のハードルは「20名近くのスタッフをどれだけうまく導けるのか」ということでした。思わぬ事態に焦りを見せるメーカーと話をしているうちに、「自分の指揮力で、このプロジェクトの成否が決まる」と痛感しました。そんなプレッシャーの中で気づいたのは、これこそが「商社に求められている仕事だ」ということです。商社の本質は、挑戦したことのない環境で、ゴールに向かって旗を振ることなのだと、そこで私は思ったのです。今回のプロジェクトで何よりも大切だったのは「クールさを捨てること」でした。自分が頑張っている姿を見せなければ、協力をしようと思ってもらえるはずはない。そうして私は、ジャケットを脱いで、オイルにまみれながら現場で過ごすようになりました。気がつくと、クリスマスから3ヵ月もの時が過ぎ、製造設備への改造も完了間近に。自分の指示がスムーズに伝わるようになり、周囲の見方も「出張で来た男」から「現場を動かす人」へと変わっていました。

STORY03

第三者ではなく、
一員として

今回のプロジェクトで得られた価値は、自分の中の「商社の理想像」が良い意味で崩れたことにあります。今の私にとって、商社で働くというのは「スーツを羽織って、クールに現場をコントロールすること」だけではありません。作業着を着て、汚れてしまうのもいとわずに現場で動き回り、ゴールに向かって現場を導く当事者として参加することが重要なのです。そのように、一歩踏み込んでお客様と向き合えるようになったからこそ、「できるだけ良い状態で、メーカー様の素晴らしい設備を届けたい」という強い想いが湧いてくるようになりました。そして今回のプロジェクトは、私の価値観を変えただけでなく、今後の若手にとっても新たな道を切り拓いたのではないかと思います。今回の事例は、「若手から現場を任せてもらえる」という当社の風土の決定的な裏付けとなりました。実際に、私の後輩もクリスマスより早い入社1年目の10月からインド出張の機会を得ています。今後も若手たちが世界の現場に飛び出していって、商社に対する理想を塗りかえてくれることを期待しています。

COLUMN
働きを還元してくれる

当社の魅力は「社員への還元力の高さ」にあると思います。給料や休暇として、仕事の頑張りを社員にしっかりと還元してくれる風土が整っているのです。上司の方もしっかりと休みをとるので、自分たちもそれにならって休みを取得できます。こうした還元力の高さからは、単に業績を良くするのでなく、働く環境をよりよくしようとする意識をはっきりと感じます。また、若手への支援も次々と実施されており、海外でのトレーニー制度や、これまで対象外だった方への住宅支援制度などが新たに設けられました。